ひとりで働くことが可能になったことを強く実感しています。
私は2000年に独立しましたが、それ以来、フリーの経営コンサルタント、マーケティングプランナーとして、コンサルティング、プランニング、教育、執筆などを生業にして生活しています。
会社は作っておりますが、私はひとりで仕事をしています。とはいえ、暮らし向きもよく、何の不自由も感じていません。
いただくフィーに必要な原価はほとんどありませんので、フィー≒利益になります。また秘書も事務所さえも持っていませんので、必要経費はほとんどありません。
なぜ事務所や秘書が必要ないか?事務所はフェイスブックが代用してくれるからです。ここに自分のプロフィールや経歴、企画書や文章見本などを全て置いてありますので、ここを見ていただければ必要な情報は全て得られます。
また秘書はLineがその代わりとなってくれます。細かい連絡をする場合は、Lineのグループを活用すれば用は足ります。急な連絡やトラブルがあってもスマホを使えば対処できます。請求と入金確認は妻にやってもらっています。
では仕事量はどうなのでしょう?これはとても多くなっています。なにしろ私はフリーですので、私に支払うお金は変動費となります。だから企業としてはいらなくなったらすぐ切れるので使いやすいのだと思います。独立した時も、「代打のマーケティング部長」というフレコミで仕事をいただきました。これは外部の者でありながら、部長職を引き受けるというもの。
時は不景気で、マーケティングというコスト部門をどんどん廃止、もしくは他部門へ吸収していた時でした。とはいえ、マーケティングが重要なのは変わらない。だからこの機能をアウトソースする企業が多かったのです。この流れを受けて、20世紀では絶対に考えられなかった代打部長という仕事を得ることができたのです。
今後もフリーランスIの急増でこういう傾向は高まると思っています。またこういう人が増えてくれば、こういう人同士のネットワークで仕事をする場合が増えるでしょう。実際私も、ひとりで仕事をしているとは言っていますが、たくさんの専門家たちに仕事を振っていくことで成り立っているのです。例えば、私がヘッドコンセプトを立てたとすると、WebはA氏、PRはB氏、デサインはC氏、SPはD氏、財務関連はE氏といったように、仕事を振っていきます。そしてこの専門集団を率いて、次のクライアントの仕事、そして次という具合に仕事をしているのです。
これからの会社がどうなるかを考えるにあたって、個で生きることができる世の中になったということはとても重要なことだと思います。
かつてはひとつの会社に入り、定年を迎えるまでその会社で勤めあげるという選択肢しかありませんでした。しかし最近は、会社に入らないで個で生きることもできるし、会社に所属しなくても会社に個として雇われるということもできるようになりました。
また個が集まって小さな会社を作り、その会社の収益性をよくして、あえて小さいまま存在し続けるものも出てきました。
さらにこれらの会社をどんどん合併して、大きな会社になっていくという動きも顕著です。ソフトバンクグループはこうして総合通信会社になりましたし、USENグループもしかり。
まとめると、
①昔からずっとある大きな会社
②小さい会社をどんどん合併し大きくなった会社
③小さいまま収益性のいい会社
④個
という大きな流れができているのだと思います。
つまり、働くということの選択肢がいろいろと持てる時代になってきたのだと思います。そしてそれは、個で生きるという昔だったら考えられないような生き方が誰にでもできるようになったことが大きく影響しているように思います。
今後の会社というものを考える時、今後もそのキャスティングボードを握るのは、個で生きる人たちの動向がどうなるかにあるのではないでしょうか。