「音ハラ」は「音ハラスメント」の略です。
これは工事現場のような大きな作業音ではなく、パソコンのキーボードを打つ音や、音を立てながらお菓子をつまんだり、高い頻度でせきをしたりといった音が引き起こすハラスメントです。
「たいしたことではないが、継続的に起こると集中力をそがれてストレスがたまる」という音ハラは、それを気にする人にとっては、自分が周囲に注意されるのではないかと思うようです。
そのため、静音を売りにしたキーボードやマウス、文房具が増えています。
例えば、2021年にぺんてるから静音設計を売りにして発売された油性ボールペン「カルム」もそのひとつ。
ぺんてるはこの開発のために、音ハラに関する独自の意識調査を行い、「ミレニアル世代(1981年~1996年に生まれ、インターネットなどのデジタルテクノロジーの発展とともに成長した世代)」の約8割がカフェなどの公共空間で仕事や勉強をする際に出るノイズを不安視しているという調査結果を発表しました。
注目すべきはその背景で、
既に社会人として働いていた世代が感じる音と、この3年で大学進学や新社会人など環境が変化したミレニアル世代では音に対する意識が異なるのです。
コロナ禍は3年になりますが、これだけの月日があって、環境が変われば、音に対する意識が変わるのも当たり前と言えます。しかし旧世代はそこに気がつかない。
商品開発の効果的な視点だとも思うのですが、彼らへのマナーとしても知っておきたいことだと思いました。
(4/10 日経MJ 菅未里氏の記事を編集、加筆)