腸内細菌検査サービスのサイキンソーは口腔内の細菌を調べるサービスを始めます。
【概要】
細菌の遺伝子から菌の種類や存在割合などを調べ、歯周病や虫歯などになる可能性を3段階で表します。
政府による国民皆歯科健診の導入検討などで歯科に注目が集まる中、医療機関などを通じて提供し、2023年内に検査数3000件を目指すそうです。
【内容】
新サービス「マイキンソーオーラル」は口腔内に存在する細菌の種類や存在比率などを検査できるサービスです。
利用者は医療機関や健診施設を通じて申し込むと検査キットが手渡され、自宅で採取した唾液を専用の試験管に入れて郵送します。
約3週間後に検査結果が書面で届きます。将来的にはスマートフォンなどから閲覧できる仕組みも整える方針で、価格は2万円程度。
【強み】
サイキンソーは腸内細菌のデータから病気リスクを判定する独自アルゴリズム(計算手法)開発に強みを持つ。
【市場性】
体内に生息する細菌は乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌、大腸菌やブドウ球菌といった悪玉菌など、数百兆個存在するとされ、細菌の集団は「マイクロバイオーム」と呼ばれます。
調査会社グローバルインフォメーションによると、ヒトを対象としたマイクロバイオーム市場は2028年に29億ドル(約4000億円)と21年の4倍になると見込まれています。
【ベネフィット】
大量の遺伝子を高速に読み取る次世代シーケンサーが開発され、体内に存在する微生物などの遺伝子を網羅的に調べる「メタゲノム解析」が活発になっています。
近年の研究では、口腔内のマイクロバイオームが全身性の疾患に関与している可能性が指摘されています。
また口腔内の細菌変化が、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の発症につながるとされる『メタボリックドミノ』にも注目が集まっています。
(3/29 日経産業)