2000年代だけを見ても、上記のように、7回もマクロ経済に大きな「事件」が起きています。その度に、コストの上昇による値上げという憂き目に日本人は遭ってきました。それゆえに、消費者は、様々な価格政策を繰り出すサプライヤの打ち手を理解し、ちょっとのことでは動かなくなっています。
そんな中、サプライヤの苦肉の策として、内容量を減らして価格を据え置きにする「ステルス値上げ」をするようになります。これは2008年がいちばん盛んで、食品を中心に約1500品目に行われたと言います。なんと前年比の3倍だったそうです。
もしその情報が知られていなかったら効果的だったでしょう。しかし現代ではSNSによって、あっという間に広まってしまいます。ゆえに最近では、ステルス値上げをあえて公表して、テレビのニュースで取り上げるようになっていますよね。
そんなステルス値上げなのですが、成功例もあります。それはかつて、明治のブルガリアヨーグルトが、減量と値下げを同時にやったというものです。値上げのコストを含んで、適量を決め、適価を決めるのは難しいですが、こういうやり方が成功したということは覚えておきたいものです。